【研修コラム】自治体と情報発信　千葉県流山市の広報戦略の考察（１）

講師の高木です。元ラジオ局アナ・報道記者の経験から、
全国各地の自治体・公的機関で「危機管理・マスコミ対応研修」や
「情報発信力向上研修」などを行っています。

今回のテーマはこちら。
「自治体と情報発信　千葉県流山市の広報戦略の考察（１）」（画像はイメージです）

今回は前回の記事の関連コラムとなります。

前回の記事はこちら
【研修コラム】情報発信のポイント　PESOモデルをご存じですか？
https://talkrescue.jp/archives/4261

前回の記事では、「PESOモデル」という用語を解説し、
「現代社会は様々なメディア間での情報流通が発生している」と説明しました。

今回その関連で紹介したいのが、千葉県流山市の広報戦略です。

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近年、千葉県流山市の情報は、テレビ・新聞・雑誌等でも多数紹介されているので
街の活気や発展の勢いを感じる方も多いかと思います。

流山市の情報は次々にメディアに出て、口コミも広がる…と
「PESOモデル」さながらの情報流通が生じています。
そして数字の面でも定住人口が増加し、そこから派生して
シティプロモーション成功、シビックプライド醸成などと相乗効果も出ています。

私もここ数年、流山市内で「危機管理・マスコミ対応研修」を行っており、
流山市内に度々伺うのですが、そのたびに街の発展を感じています。

【活動報告】4/20　千葉・流山　危機管理研修　模擬記者会見も２回実施しました
https://talkrescue.jp/archives/3447

私は「情報発信力向上研修」等で、この流山市の人口増加や発展において
2000年代からの「流山市役所の広報戦略」が大きく寄与した、と説明しています。

まずは流山市の人口増加のメモから紹介しましょう。

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■千葉県流山市と人口増加

・千葉県流山市：千葉県北西部に位置。

・人口：10年強で約5万人増＝子育て世代の転入者が増加
　2007年：15万5,779人
　2021年9月：20万3,331人

・背景　2005年8月　つくばエクスプレス　開通
　＝東京・秋葉原直通・都心から約20分　

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皆様ご存じの通り、ＴＸつくばエクスプレスの開業が重なり、
流山市の人口増加が生じた、というのは確かな事実です。

しかしそこには流山市独自の広報戦略＝シティプロモーションの
緻密な戦略が存在していました。

その流山市役所の広報戦略について、以下、まとめました。

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■流山市役所と広報戦略

・課題：かつて２つの危機＝人口減少・区画整理事業遅延。
　→財政悪化の懸念・市のブランドイメージも低調。

・2003年市長選　井崎義治氏　初当選
　
・広報体制の拡充
　2003年マーケティング課設置＝自治体で日本初
　SWOT分析で市の強みやポテンシャルを明確化

・2011年　第１期シティセールスプラン策定

・方針：DEWKS（Double　Employed　with　Kids）＝
　「共働き子育て夫婦」をターゲットにマーケティング

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流山市役所は課題を抱える中で2000年代にマーケティング戦略を構築します。
その中で広報戦略上のターゲットを明確にしました。
ターゲットはずばり「共働き子育て世代」。
＝「DEWKS」（Double　Employed　with　Kids）と呼ばれる方々です。

この「共働き子育て世代」に訴求することは、定住人口増加や街の発展に直結します。
千葉県流山市は都心へのアクセスの良さをフルに活かしただけでなく、
「子育てのしやすさ」をより明確に伝える広報戦略を取っていったのです。

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特定の人物像にターゲットを絞るマーケティング手法は
「ペルソナマーケティング」とも言われ、この手法は広く知られています。

流山市の広報戦略でもメッセージを伝えるべき相手
＝ペルソナ（人物像）を「共働き子育て世代」と明確にしていた点が読み取れます。

この千葉県流山市の広報戦略については、更に説明したい部分があります。
続きは次回のコラムで紹介、とさせていただきます。

以上、皆様のご参考になれば幸いです。
（講師：高木圭二郎）

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