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令和6年能登半島地震でお亡くなりになられた皆様に
お悔やみを申し上げるとともに、
被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
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講師の高木です。元ラジオ局アナ・報道記者の経験から、
全国各地の自治体・公的機関で「危機管理・マスコミ対応研修」を行っています。

今回のテーマは「臨時災害放送局(通称:災害FM)」。(画像はイメージです)

私は自治体向け危機管理研修の中で、公務員の皆様にこのような説明を行っています。

「災害時、所定の手続きの上で、市町村はラジオ局を開局することが出来ます。」

ご存じでない方は驚かれるかもしれませんが、これは総務省が認めた正式な話。
「臨時災害放送局」(通称:災害FM)という制度の話なのです。

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「臨時災害放送局」は、災害時に市町村によって開設される臨時のFM放送局。
それも全国各地でいくつも誕生している放送局の話なのです。

この「臨時災害放送局」が制度化されたのは1995年。阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、
住民向け情報の発信を、との視点から総務省が制度化を進めました。

2011年の東日本大震災の後では、被災地の29の市町が中継局を含め、
35局の「臨時災害放送局」が開設・運用されました。

私が住んでいる茨城県内でも、2015年の鬼怒川決壊後に「常総災害FM放送局」という
臨時災害放送局が開局し、約2か月半にわたり地域情報などが放送されました。

常総災害FM局が30日閉局 使命感が支えた2カ月半
https://www.sankei.com/article/20151126-AADRPL7OURPJPICLCQN6WBC2OE/
(紹介記事はリンク切れの場合があります。ご了承下さい)

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実はこの臨時災害放送局(災害FM)の話は、総務省がマニュアル化し、
災害時の開局を後押ししているのです。

「臨時災害放送局 開設・運用の手引き」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000647897.pdf

このマニュアルを読むと、こんな記述が出てきます。

「臨時災害放送局を開局するためには、電波法に基づく放送局の免許が必要です。
緊急時なのでその免許申請は「臨機の措置」として電話(口頭)によって行うことができます。」

つまり緊急時には「総務省側が口頭で、市町村等に放送免許を出す」との記述なのです。

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この「臨時災害放送局」の開局パターンは、主に2つ。

(1)既存のコミュニティFMが出力を増強するパターン

(2)新規で臨時災害放送局を開局するパターン

こうしたパターンで、各地の臨時災害放送局の立ち上げ、となったケースが多いのです。

さてこの臨時災害放送局ですが、実際の運営面では多数の課題が生じます。
FMラジオ局開設となるので、当然、「ヒト・モノ・カネ・情報・時間」と多種多様な
リソースが必要になります。

スタッフ体制も重要です。出演者のみならず、番組制作を行うディレクターやプロデューサー、
機材を扱える技術職の存在など、組織的な体制構築も欠かせません。
簡単に「はい、開局」と言えない要素が多々あるのは、私も重々承知の上です。

ですがコミュニティFM局やケーブルテレビ局、NPO法人等が市町村側とうまく連携すれば
「被災地を勇気づける地域密着のFMラジオ局が開局できる」のは制度上の事実

そして現代社会はSNSや動画も活用できる時代。たとえ期間限定の開局でも、
臨時災害放送局が開局すれば、現地情報やスタジオの様子を動画配信、等の工夫も可能になり
復旧復興の動きを伝えたり、きめ細かい情報発信で支援の輪を広げることにも結び付くわけです。

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今回このテーマを選んだ理由は、皆様お気づきの通り、能登半島地震の影響によるものです。

この記事を書いている2024年1月20日の時点では、まだ被害の大きかった石川県内で
臨時災害放送局の情報は入手出来ていません。

(SNS等では石川県内の臨時災害放送局開局に向けた動きがあるようですが、
 現時点で正式な情報ではありません。)

被災地の情報をニュースで見ると、まだまだ
「生活面での復旧が最優先。FMラジオ局の開局どころでない。」との印象も受けます。

被災地の皆様が、一日も早く穏やかな生活を取り戻されることを心より願うとともに、
今回の情報が、今後の復旧復興の何かのヒントになればと考えています。

なおこの情報は、全国の自治体、コミュニティFM関係者、放送事業従事者の皆様の
ご参考にもなるかと思われます。ぜひ皆様で情報共有をしていただければ幸いです。

以上、皆様のご参考になれば幸いです。
(講師:高木圭二郎)


この記事を書いた人

高木 圭二郎(たかぎ けいじろう) 

研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)

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