講師の高木です。元ラジオ局アナ・報道記者の経験から、
全国各地の自治体・公的機関で「危機管理・マスコミ対応研修」を行っています。
今回のテーマは「熊本県益城町・アクションカード」(画像はイメージです)
2024年1月の能登半島地震の影響もあり、全国の自治体・公的機関で
災害時の危機管理マニュアル等の見直しが進んでいるかと思われます。
能登半島地震で被災された皆様にお見舞いを申し上げますとともに
被災地の復旧復興が一日も早く進むことを心より願っております。
そのような状況下で、ぜひ自治体・公的機関の皆様に知ってほしい情報が
今回紹介する「熊本県益城町・アクションカード」の情報です。
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熊本県内では、2016(H28)年4月14日夜、4月16日未明の2回にわたり
「熊本地震」が生じ、最大震度7の大きな揺れを観測しました。
当時、地震発生が夜間ということもあり、初動対応は混乱しました。
その後、被害の大きかった熊本県益城町では、危機管理体制の強化を図ろうと、
外部人材を起用します。そして2018年、初代・危機管理監に今石佳太さんが就任。
今石さんは元芦屋市消防本部の防災のプロ。阪神淡路大震災も経験した方です。
熊本地震を受け熊本県益城町では、危機管理体制の見直しを図りました。
特に大切な災害時のリーダー業務・初動対応マニュアルをイラストと短文で示す書面に整理。
これが熊本県益城町の「アクションカード」となり、各方面からの注目を集めます。
この「アクションカード」は、米国等で採用されているICS=インシデント・コマンド・システム
(=緊急時総合調整システム)の思想に基づくもの。
この紹介記事の中に、この「アクションカード」の一部が紹介されています。
時間外などの災害初動対応!熊本・益城町や新潟県が始めた新機軸
https://www.bosai.yomiuri.co.jp/biz/article/5441
(紹介記事はリンク切れの場合があります。ご了承下さい)
カードのサンプルをご覧いただくとわかる通り、
短文とピクトグラム(人型のイラスト)で何をすべきか明確な説明がなされています。
熊本県益城町のアクションカードには、最初に登庁した職員を「初動リーダー」として
「あなたが当面のリーダー」と設定する文章や、災害用ビブスの着用、投光器の設置など
初動対応を分かりやすく説明する内容も出てきます。
これは従来型の文字多数の危機管理マニュアルの概念をも覆すもの、と言えそうです。
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熊本県益城町の「アクションカード」の取り組みはこれだけではありません。
熊本県益城町は三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社との共同開発で
この「アクションカード」のアプリ化を進め、スマホ・タブレット等でも
災害時の初動対応ができるように開発を進めたのです。
熊本県益城町との共同研究により災害対応初動マニュアル「アクションカード」のアプリを開発
https://www.murc.jp/news/information/news_210402/
災害初動対応のアプリ化など成果発表・・・・益城町など
http://www.kumamoto-keizai.co.jp/content/asp/dejikame/dejikame_detail.asp?PageID=20&Knum=21457&PageType=top1
(紹介記事はリンク切れの場合があります。ご了承下さい)
危機管理マニュアルは、実際に活用してこそ、その価値を発揮します。
熊本県益城町では、このアクションカードを使っての訓練も実施。
一連の危機管理関連の取り組みは震災を経験した自治体ならではの活動とも言えそうです。
全国の自治体・公的機関の皆様、ぜひこの熊本県益城町のアクションカードの事例を
参考になさってください。自治体の初動対応の良さは、住民の安全・安心に直結します。
災害はいつ生じるか分かりません。発災時の初動対応がよりスムーズに進むことを願っています。
以上、皆様のご参考になれば幸いです。
(講師:高木圭二郎)
この記事を書いた人
高木 圭二郎(たかぎ けいじろう)
研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)
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