※このコラム記事は2024年(令和6年)1月に執筆したものを
2025年12月に加筆修正したものです。

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講師の高木です。
元ラジオ局アナ・報道記者の経験から、全国各地の自治体・公的機関で
「危機管理・マスコミ対応研修」や「説明力向上研修」などを行っています。

今回のテーマはこちら。
「臨時災害放送局(災害FM)をご存じですか? ~危機管理研修より~(2)」

(画像はイメージです。実際の画像とは異なります。)

前回のコラム記事はこちら。

【研修コラム】臨時災害放送局(災害FM)をご存じですか? ~危機管理研修より~(1)【更新20251219】
https://talkrescue.jp/archives/4093

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今回の研修コラムでも臨時災害放送局(通称:災害FM)の情報を紹介します。

臨時災害放送局(通称:災害FM)は、災害時に市町村によって開設される臨時のFM放送局。
それも全国各地でいくつも誕生している放送局の話、ということを説明しました。

今回は運用面や実例を含め、さらに掘り下げた話を紹介したいと思います。

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この研修コラムで、臨時災害情報局(災害FM)のテーマを選んだ理由は、
皆様お気づきの通り、令和6年能登半島地震の影響によるものです。
あらためて令和6年能登半島地震で被災された皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げます。

この記事を最初に書いた2024年1月20日の時点では、能登半島地震の被災地の
石川県内での臨時災害放送局の情報はありませんでした。

ですがその後、嬉しいニュースが入ってきました。

石川県輪島市町野地区で、2025年7月、臨時災害放送局「まちのラジオ」が開局したのです。

関連情報はこちら。

石川県輪島市町野地区臨時災害放送局 まちのラジオ
https://saigaifm.hp.peraichi.com/machino/

北陸3県で初めての開局!「まちのラジオ」が試験放送開始 地域の細かな情報伝えるツールに
https://www.ishikawa-tv.com/news/itc/00005155

能登の二重被災地に「まちのラジオ」が開局――かつての被災地・女川町から町野地区に託された復興の経験
https://news.yahoo.co.jp/articles/32b5bc042033a5b5a813aa27088b01e6f4f43c4f

能登地震初の災害FMスタート 真新しいロゴにケロロ軍曹がいる理由
https://www.asahi.com/articles/AST7455P0T74PJLB00VM.html

「正直、下手です。それでいい」被災地に響く住民たちの”生の声” 臨時災害ラジオ局「まちのラジオ」開局 石川・輪島市
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2029900

(紹介したニュース記事等は、リンク切れの場合があります)

注目してほしいのは、報道機関がニュース記事化した件数の多さです。

上記で示したのは一部のニュース。関連記事はこの他にも多数あります。
大規模災害時の臨時災害放送局(災害FM)開局が、
多くの人に期待されていることを裏付けるような、ニュース記事化の件数とも言えそうです。

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臨時災害放送局(災害FM)の運用面の課題と可能性も紹介しましょう。

被災地の希望ともなる臨時災害放送局(災害FM)の話ですが、
実際の運営面では多数の課題が生じます。

FMラジオ局開設となるので、当然、「ヒト・モノ・カネ・情報・時間」と多種多様な
リソースが必要になります。

スタッフ体制は特に重要です。出演者のみならず、番組制作を行うディレクターやプロデューサー、
機材を扱える技術職の存在など、組織的な体制構築も欠かせません。

簡単に「はい、開局」と言えない要素が多々あるが実情と言えます。

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しかし、臨時災害放送局側のスタッフが、既存のコミュニティFM局やケーブルテレビ局、
NPO法人等が市町村側とうまく連携すれば
「被災地を勇気づける地域密着のFMラジオ局の開局」が現実となるわけです。

そして現代社会はSNSや動画も活用できる時代。

たとえ期間限定の開局でも、臨時災害放送局が開局すれば、
被災地の現地情報やスタジオの様子をリアルタイムで配信できます。

さらに各種SNSや、Youtube等のプラットフォームとうまく連携すれば、
ショート動画の他、各種動画配信も十分可能になるわけです。

よって、一見オールドメディアのFMラジオの臨時災害放送局は、
WEB・SNS全盛の現代社会では、数々の可能性を持った
新機軸のメディア」に成長する可能性があるわけです。

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大規模災害後、被災地の情報が流れないことは、風化の加速と、
支援の輪の減少にもつながります。

復旧復興の動きをリアルタイムで伝、きめ細かい情報発信をすることは
支援の輪をさらに広げることにも結び付くわけです。

今回のまとめです。

・石川県輪島市町野地区で、2025年7月臨時災害放送局「まちのラジオ」が開局。
・「まちのラジオ」開局の情報は、各種メディアが多数ニュース記事化した。
・臨時災害放送局(災害FM)開局後は、WEB・SNSとの連動が効果的。風化防止になる。

能登半島の被災地の皆様が、一日も早く穏やかな生活を取り戻されることを心より願うとともに、
今回の情報が、今後の復旧復興の何かのヒントになればと考えています。

なおこの情報は、全国の自治体、コミュニティFM関係者、放送事業従事者の皆様の
ご参考にもなるかと思われます。ぜひ皆様で情報共有をしていただければ幸いです。

以上、皆様のご参考になれば幸いです。
(講師:高木圭二郎)


この記事を書いた人

高木 圭二郎(たかぎ けいじろう) 

研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)

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