【研修コラム】ネット炎上問題　ドミノ・ピザのニュースの考察

講師の高木です。元ラジオ局アナ・報道記者の経験から、
全国各地の自治体・公的機関で「危機管理・マスコミ対応研修」を行っています。

今回のテーマはこちら。
「ネット炎上問題　ドミノ・ピザのニュースの考察」（画像はイメージです）

今回は前回の続きとなります。

前回記事はこちら。

【研修コラム】ネット炎上　流れと傾向の考察
https://talkrescue.jp/archives/4241

私の「危機管理・マスコミ対応研修」では、「ネット炎上」問題についても
説明していますが、連日のようにネット炎上の事案が生じていると感じます。

前回の説明ではこのようなポイントを解説しました。

■ネット炎上　近年の傾向

（１）炎上は「いつ、だれにでも起こりうるもの」との認識が重要。
（２）炎上を深刻化させているのは、実はテレビなどのマスメディア。

「ネット炎上」の問題は、実はネット内の問題だけでなく、
「既存のマスメディア」の扱いが大きなカギを握っている、と説明しました。

それを踏まえて、ドミノ・ピザ関連のニュースを紹介しましょう。

―――――――――――――――――――――――――

一昨日（＝2024年2月13日）、ドミノ・ピザのアルバイト店員の素行が
様々なニュースメディアで取り上げられました。

これはドミノ・ピザ従業員がピザ生地をこねる過程で、鼻をほじる仕草を行い
その動画がネット上で拡散したもの。

その後、様々な報道機関がこの情報をニュース化し、ネット上でも情報が拡散。
ネット炎上の典型的な事例となりました。参考記事は次の通りです。

ドミノ・ピザは法的措置を検討　店舗でアルバイトが“不適切な行為”　当該の店を営業停止に
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/995207?display=1
（※紹介記事はリンク切れの場合があります。ご了承下さい）

ドミノ・ピザ 尼崎店 従業員不適切行為の動画投稿で謝罪
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20240213/2000081990.html
（※紹介記事はリンク切れの場合があります。ご了承下さい）

ドミノ・ピザ側は、この問題を受け、即座に情報を公開。
法的措置の検討を行うことを明らかにするなど、初動対応を進めました。

ドミノ・ピザ　@dominos_JP
当社従業員による不適切な行為についてのお詫びとお知らせ
https://twitter.com/dominos_JP/status/1757032504828281217/photo/1

アルバイト店員の行為は「悪ふざけの範囲を超えた犯罪行為」などの意見も
ネット上では見られますが、ここでは「ネット炎上」の問題に絞って
説明をしたいと思います。

―――――――――――――――――――――――――

この問題は当初「爆サイ」というネット上の掲示板で情報が掲載され、
その後、既存のマスメディア（テレビ・新聞等）がニュース扱いし、
テレビの情報番組などでも情報が扱われました。

これらの「マスメディアの動き」により、「ネット内」でとどまっていた情報が、
広く一般市民の方々への認知・拡散につながった、とみられます。

「ネット炎上」問題は、既存のマスメディアの動きと連動しているのです。

―――――――――――――――――――――――――

では、このようなネット炎上に対応するにはどうするか？

私はネット炎上の予防策の徹底を研修で呼びかけています。

■ネット炎上の予防策（一例）

・職員・社員への研修・教育を徹底する。
・ＳＮＳ・ＨＰ等は定期的にモニタリングする。
・公私のアカウントを明確に区別する。
・ＳＮＳ活用や機密事項保持に関する誓約書を交わす。
・大事な現場では、スマホ使用を禁じる。

などの手法が想定されます。

こうした予防策の徹底が必要なのは、
「ネット炎上は起きてからでは遅い」
「ネット炎上の問題は深刻化しやすい」等の事情があるからです。

ネット炎上が生じると、広報担当の皆様の負担は一気に増加します。
問合せ対応、クレーム対応の必要性も生じるのは、前回の説明の通りですが、
組織全体のイメージダウンが瞬時に生じることもあります。

組織幹部の皆様にも「ネット炎上は実は身近なところにあるリスクの一つ」と
再認識してほしいと思います。

以上、皆様のご参考になれば幸いです。
（講師：高木圭二郎）

---

---

© 高木圭二郎 2024 All Rights Reserved.
当サイトの全コンテンツの無断転載を禁じます。
無許可の転載、複製、転用等は法律により罰せられます。