スピーチ講座トークレスキューの高木です。
このコラムでは人前の話を控えた方向けの記事を掲載しています。

セミナー開催後のアンケートでご質問をいただきました。

ご質問:

「大人数の前で話すときも緊張するけれど、
 目上の人に個別で説明するときも実は緊張します。
 何か対策はありますか?」

このようなお困りごとは割と多いようです。

良い報告ならさほど重圧は感じないと思われますが、
マイナス要素の報告は気が重くなりますよね。

「目上の人がもともと苦手」という方にとっては
なおさらのことかと思われます。

ここは私から皆様にラジオ局出身アナならではのテクニック
ひとつご提案したいと思います。

それは「カフ下げ」です。

「カフボックス」という機械をご存知でしょうか?

このイラストの女性が動かしているような機材です。

「カフボックス」の略称は「カフ」

「カフ」は放送現場や録音スタジオなどで欠かせない機材の一つです。

上下にスライドするレバーや可動スイッチを動かすことで、
声のオン・オフができるのです。

「カフ」を下げれば、不要な声や雑音をマイクに乗せずに済みます。

私がいたラジオの現場では、放送中にせきこんだときや
スタッフとの打ち合わせの際に、
「カフ」をこまめに下げて不要な音をカットしました。

原稿をめくる雑音=ペーパーノイズのカットのためにも
「カフ下げ」はアナウンサーたちの日常的な動作の一つとなっています。

私の場合
「続いてのニュースです…」と
原稿をめくってニュース項目を切り替えるときに、
毎回必ずこの「カフ下げ」を行っていました。

「カフ下げ」はノイズをカットできるだけでなく

「間を置く、一呼吸置く」
「気持ちをリセットする」
「時間確認をする」
「周囲の状況を見る」

などと、いくつもの効果が得られるからです。

実際にカフを下げる時間は、2秒ー3秒程度。

カフを下げることで半自動的に
「2-3秒の間(ま)」が置かれることになるのです。

「たったの2-3秒?」とお思いでしょうが、
この「2-3秒の間(ま)」が非常に有効なのです。

聞く側にとっても

「話の区切りがはっきりわかる」
「理解しやすくなる」
「聞きやすくなる」

などのメリットがあります。

放送現場やアナウンス担当者の間では半ば常識の「カフ下げ」。

皆様の「重圧のかかる説明」の場などで、
「あたかも「カフ」があるように
 心の中の『カフ下げ』を行ってみては?」
というのが今回の提案です。

緊張緩和につながる策として是非お試しください。
皆様のご参考になれば幸いです。
(講師:高木圭二郎)

この記事を書いた人

高木 圭二郎(たかぎ けいじろう) 

研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)

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