スピーチ講座トークレスキューの高木です。
このコラムではスピーチを控えた皆様や
人前で話す皆様向けの記事を掲載しています。

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今回のテーマは「朝礼スピーチ」

知っている人たちや少人数グループでの
「ひとことスピーチ」って、意外と緊張しませんか? 

特に朝礼スピーチ関連のお困り事はよく耳にします。

「職場の朝礼スピーチが大の苦手」
「朝礼スピーチの当番日は欠席したい」
など深刻なお悩みとなっている方も多いようです。

実はこの「朝礼スピーチ」のお困り事は
メンタル面では複雑な事情を抱えていることがあります。

その複雑な事情をあえて言語化すると…

「職場の知っている人が大勢目の前にいる…」
「視線が一気に自分に集まって…違和感や嫌悪感がある…」
「職場のためになることや一目置かれるようなことを言わねばならない…」
「こんな状況を考えただけでも嫌になる…職場に行きたくない!」
「こんなに困っているのに、一人だけこんな本心を言うわけにはいかない…」

というところでしょうか。

「辛いけど言えない」という時点で
堂々巡りのお困りごとになってしまいますね。

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ここで皆様に問いかけです。

Q:職場での会話はごく普通にできるのに、
  朝礼スピーチで苦手意識が生じるのはなぜ?

その理由、おわかりでしょうか?

複数の答えがあると思います。
私なりの答を申し上げます。

A:会話からスピーチへの「場の急変」が生じるから。

この「場の急変」が朝礼スピーチの苦手意識を生む
要素の一つなのです。

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解説しましょう。

人前で話す際、緩やかな変化であれば緊張度は高まりません。
しかし状況の「急変」となると誰でも緊張度が上昇します。

聞く人のメンバーの顔を知っていても、
気心が知れている人がいても
たったの数分の朝礼であったとしても
むしろそのような状況が皆様の重圧となります。

その場にいる人々が、会話とは違う体制で、
一気に視線を集中させ、全員があなたの話を聞く、
という状況に「急変」するわけです。

「おしゃべりは好きだけど、スピーチは苦手」
と方も多いと思います。

フレンドリーな会話の関係から
オフィシャルな集団向けスピーチに変わるからです。

問題は状況や注目度による「場の急変」
急変が生じるために苦手意識が急上昇するのです。

ここまでご理解いただけるでしょうか。

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そこで対処法です。
今回はメンタル面の対処の手法を一つ紹介します。

それは「リフレーミング」という手法です。

「リフレーミング」はNLP(神経言語プログラミング)
などでも使われるメンタルや心理学の用語。

「思考の枠組み(思考フレーム)を変えること」
「物事の見方をとらえなおすこと」

とお考え下さい。

リフレーミングの話でよく紹介されるのが
「半分の水が入ったコップ」の事例です。

水位がコップの半分として

「水が半分しかない」
「水が半分もある」

と両面から見直すことができるわけです。

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この「リフレーミング」の考え方、
朝礼スピーチの例で活用してみましょう。

<リフレーミング前>

「全員が顔見知り。気心が知れた人もいる朝礼…」
「なのに緊張するのはなぜ…?
「自分のメンタルは弱すぎるのでは?…」

      ↓

<リフレーミング後>

「顔見知りの場の朝礼。」
「でも日常会話からスピーチに急変する。」
「会話の状況と変わって視線も集まる。」
「朝礼スピーチは緊張して当然。」
「私のメンタルの反応は正常反応だ!」

などと思考フレームが変わりました。

「朝礼スピーチは甘く考えてはならない」
というリフレーミングになるわけですね。

これはリフレーミングで見方をとらえなおした一例です。

実際はここまであっさりとメンタルの
コンディションが好転することは少ないはず。

心が変化するには長期間を要することもあるはずです。

でもこの「リフレーミング」という概念が一つあることで
皆様の安心材料が一つ増えるのではないでしょうか?

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おさらいです。

「朝礼スピーチは場の急変」
「場の急変は緊張を生む」
「朝礼スピーチの緊張は正常反応」

このようなリフレーミングをご活用ください。

となると、式典対応なみの準備をしても
丁度良い、というケースも出てきますよね。

スピーチ、プレゼン、発表などにのぞむ皆さん、
ぜひこのようなメンタルの技法も活用して
安心材料を増やしてくださいね。

皆様のヒントになれば幸いです。
(講師:高木圭二郎)

[内容更新:2019年7月19日]

この記事を書いた人

高木 圭二郎(たかぎ けいじろう) 

研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)

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