講師の高木です。各地でマスコミ対応研修を担当しています。
講座内容の一部をこのコラムでご紹介します。
本日はクイズから。
――――――――――――――――
Q:「謝罪会見は○○○○コントロールでもあります」
この○○○○に入る言葉はお分かりでしょうか?
――――――――――――――――
――――――――――――――――
このクイズ、私は研修でこうお教えしています。
A:「謝罪会見はダメージコントロールでもあります」
――――――――――――――――
説明しましょう。
緊急記者会見(謝罪会見)は「リスクマネジメント」の要素がありますが
厳密には「クライシスマネジメント」にくくられます。
「クライシスマネジメント」という言葉、あまり聞きなれないですよね。
「リスクマネジメント」という言葉と似ていますが、実際の対処法は異なります。
「リスク」は「危機」という意味だけでなく、
「可能性や不確実性」という意味もあります。
「リスクを背負って投資する」などの「投機的リスク」につながる考えです
一方「クライシス」は「危機継続の状況」の意味。
被害、損害が生じ続ける状況を指します。
この「リスク」と「クライシス」に「マネジメント」という言葉がつくと、
実際の対処法が大きく異なります。
「リスクマネジメント」=危機「前」の予防
=危機発生「前」の不確実性を抱えた状況の対処
「クライシスマネジメント」=危機「後」の対処
=危機発生「後」の被害・損害が生じる状況での対処
というくくり方です。
実際の「リスクマネジメント」の意味は幅広く、
諸説ありますがここでは平易な概念で説明します。
――――――――――――――――
緊急記者会見・謝罪会見の話に戻りましょう。
緊急記者会見・謝罪会見は、何か不祥事や
トラブル等が発生した「後」で行われるもの。
なので、「クライシスマネジメント」に分けられます。
クライシスの状況では「ダメージ」が発生します。
その「ダメージ」を「最小限にすること」こそが、
「クライシスマネジメント」の主目的。
緊急記者会見・謝罪会見の場面で、もし誠意の無い対応をすれば
「ダメージ」の最小限化どころか、火に油となってしまいます。
緊急記者会見・謝罪会見の場面ですべきことは明白です。
「再発防止」や「早期収拾」につながるメッセージを
誠意をもって真摯に伝えること。
被害者、遺族、尊厳を傷つけられた人々らがいた場合は
その方々の立場に立って、誠心誠意の謝罪をすることです。
形だけの謝罪は、もはや通用しない時代なのです。
この「クライシスマネジメント」の主旨を把握することは
結果として組織を守ることにもつながります。
緊急記者会見・謝罪会見は「ダメージコントロール」でもあります。
会見に臨む可能性のある皆様、ぜひこの点はご留意ください。
皆様のご参考になれば幸いです。
(講師:高木圭二郎)
この記事を書いた人
高木 圭二郎(たかぎ けいじろう)
研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)
講師プロフィール詳細はこちら
https://talkrescue.jp/instructor/profile
講師活動の実施実績はこちら。
https://talkrescue.jp/instructor/achievements
【 お問合せ・資料請求 】
マスコミ対応研修・危機管理研修・プレゼン研修など 各種研修のお問合せ・資料請求はこちら
お問合せフォームが開きます
【 特設ページ ご案内 】
マスコミ対応研修・危機管理研修は特設ページでも紹介中。
自治体向け研修のページですが企業等も対応可能です。
トークレスキューNEXT マスコミ対応研修
https://talkrescue-next.hp.peraichi.com/media-training
トークレスキューNEXT 危機管理研修
https://talkrescue-next.hp.peraichi.com/risk-management
© 高木圭二郎 2024 All Rights Reserved.
当サイトの全コンテンツの無断転載を禁じます。
無許可の転載、複製、転用等は法律により罰せられます。