講師の高木です。元ラジオ局アナ・報道記者の経験から、
全国各地の自治体・公的機関で「危機管理・マスコミ対応研修」を行っています。
今回のテーマは「ポジションペーパー」。(画像はイメージです。)
私の危機管理・マスコミ対応研修の中では、緊急記者会見を想定した
有事の際の一連の流れを説明しています。その際、必要な資料類の説明も行っています。
不祥事・トラブル・事故等が生じ、緊急記者会見を行うという場合、
広報担当者らは報道関係者向けに配布資料を作成することになります。
その報道機関向けの説明資料の一つが「ポジションペーパー」です。
「ポジションペーパー」は「組織の公式見解」を示す書面。
報道機関向けの配布資料として活用するもので、会見時の説明資料にもなります。
「ポジションペーパー」の書式は、通常、A4用紙1‐2枚程度。
要点を箇条書きで簡潔にまとめた文書となります。
「ポジションペーパー」は「ポジションノート」等とも呼ばれますが、
要は、有事の際の重要ポイントを報道陣に説明する資料。主な記載内容は以下の通りです。
●ポジションペーパー 主な記載事項
1)事実 : 何が起きたか・5W1Hの視点
2)経過 :日時・場所・事案を簡潔に明記
3)原因 :生じた理由。「調査中」の表記も可
4)対策・再発防止策 :再発を防ぐ具体策を記載
5)見解・処分 :組織の見解。処分内容も問われる
有事の際、広報課や危機管理課の皆様が情報を集約し、
これらの「事実・経過・原因・再発防止策・見解」等をまとめることは
実際の緊急記者会見前の情報整理にもつながるわけです。
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なおポジションペーパーに関しては諸説あり
「非公開メモをポジションペーパーと呼ぶ。外部公表資料はニュースリリース。」
「最初からニュースリリースで一本化すれば良い。」
「ニュースリリース作成でポジションペーパーの作成が省ける」 等の見解もあります。
それらを統合して、私は「危機管理・マスコミ研修」の中で
ニュースリリースについて、このような説明をしています。
●ニュースリリース=メディア以外にも公表する資料。
有事の際は「お詫び文書」の位置づけ。
ホームページ公開の場合も多い。対外的なお詫び、説明文が入る。
報道機関に向けた最初の公式見解の資料が「ポジションペーパー」
記者会見に来ない人々も想定した説明資料が「ニュースリリース」という考えです。
(※繰り返しですが、ポジションペーパー、ニュースリリースの見解は諸説あります。)
ただ有事の際の広報文では「ポジションペーパー」の内容と「ニュースリリース」の
内容が重なることもあり、境界線が曖昧になることも多いのが現状と思われます。
いずれにせよ「事実・経過・原因・再発防止策・見解」等の重要事項は多くの人が知りたい点。
これらは記者会見でも報道陣から確実に問われる項目なので、最初から文書化することは、
会見時の質疑応答などをスムーズにするもの考えられます。
皆様のご参考になれば幸いです。
(講師:高木圭二郎)
この記事を書いた人
高木 圭二郎(たかぎ けいじろう)
研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)
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