講師の高木です。
このコラムではスピーチを控えた皆様や
人前で話す皆様向けの記事を掲載しています。

きょうのテーマは「茨城ことば」。

私は東京出身。茨城に移り住んで約20年です。

前勤務先の茨城のラジオ局では取材を通じて
数多くの方とお会いし「茨城ことば」も多数覚えました

そんな私の好きな「茨城ことば」の一つが

「いいでしょーよー」

という言葉です。

(ちなみに「茨城弁」と表記しないのは
 NHKで放送された朝ドラ「ひよっこ」の
 表記にちなんでいます。)

「いーでしょうよー」はこんな感じで使われます。

茨城ことば:

「そんなのかんまんめーよー。ちいとぐらい、いーでしょーよー」

標準語に直すと…

「それくらい構わないでしょう? 少しぐらい大丈夫でしょう?」

というニュアンスです。

この「いーでしょーよー」は時折、意見を押し通す場面で
「キレ気味」で使われることもあります。

話している最中に「いーでしょーよー!」
(=それくらい、良いではないですか!)と言い切られると、
イラっとすることも多々あるのですが、
この「いーでしょーよー」の寛容な考え方は、
人前での話でお困りの皆様の大きなヒントになる気がするのです。

人前で話す際に、話し方が多少ぎこちなくても、
あがっても、緊張しても、とちっても、顔がのぼせても、
汗をかいても、声が震えても…

「いーでしょーよー」 (それくらい大丈夫でしょう?)

というニュアンスです。

実際に茨城の方が「いいでしょーよー」という言葉を使う時、
とても穏やかな表情で話すことも多いのです。

「いーでしょーよー」は気持ちのリセット効果がある
不思議なことばとも感じます。

沖縄では「なんくるないさー」(なんとかなるさ)という
言葉がありますが、その感性に重なる気もします。

自然豊かな広々とした環境の、おおらかな雰囲気が、
こうした言葉につながっているのかもしれませんね。

スピーチやプレゼン、発表の際、心が乱れはじめたら

「いーでしょーよー」

の気持ちでチャレンジなさってはいかがでしょうか?
皆様のヒントになれば幸いです。

(講師:高木圭二郎)

この記事を書いた人

高木 圭二郎(たかぎ けいじろう) 

研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)

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