このコラムではスピーチを控えた皆様や
人前で話す皆様向けの記事を掲載しています。

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スピーチ、プレゼン、発表でのお困りごとで多いのが
「どうしたらあがらずに話せるの?」
というご相談です。

多くの皆さんは
「アナウンサーならではの魔法のような解決策」
を期待されるようです。ですが、魔法はありません。

ただスピーチや話し方の「有効策」や「解決策」に
近い効果が期待できるものとして紹介するとしたら、
こんな答えになります。

「いきなり本番にしないこと」
「事前リハーサルを徹底すること」

これが人前の話のあがり緊張対策の「有効策」の一つです。

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あがり緊張問題は、一言で言えば、脳内の過剰反応。
扁桃体という部位がアラーム反応を起こした状態とされます。

この脳へのアラーム反応は、状況の変化などで生じます。
状況の変化は、人前で話す際に「瞬時」に発生します。

人前で話す際の「瞬時の変化」を分析しましょう。

・人前に出る → 周囲の視線が集まる
・人の気配、場の雰囲気が変わる
・リラックス状態からリラックスできない状況になる
・人前では、大きな音、強い光も浴びる …など

こうした「変化」が皆様の緊張の要素となります。
まずはこれらの「変化」と「緊張」の関係を知ることが
課題解決の第一段階です。

そのうえで、「予防策」を考えましょう。

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私は、あがり緊張対策の相談を受けたときに

「いきなり本番にしないでくださいね」

と繰り返しお伝えしています。

例えば、人前で話す前には、

「前に出て、立ち位置を確認」
「立ち位置で、光の強さに目を馴らす」
「視線が一斉に集まることもイメージする」
「立ち位置で使う資料類を確認する」
「話す内容があやふやなら、メモに書く」
「そのメモを見て、実際に声に出して話す」
「何度もリハーサルを行う」

などの手順を踏むことがとても有効です。
これらは「いきなり本番」を回避する作業です。


これらの手順は、脳科学的に考えても
「馴化(じゅんか)」という作用と重なります。

「馴化」は、脳が「慣れ」を起こす状態。
「このパターンは知っている」
「想定内だ」という状態を指します。

人前の話のあがり緊張対策も、
この「馴化」の状態に近づければよいのです。


ですが多くの人は、この「事前確認」を
「時間に追われる、恥ずかしい、面倒」
などと行わない、または行えないご様子です。
その結果「いきなり本番」となってしまうために、
あがり緊張のパニック状態になるのです。

繰り返しますが、あがり緊張対策に魔法はありません。
有効策が「予防」や「未然防止」の視点での対応なのです。

あがり緊張の反応は、脳の扁桃体の過剰反応。
つまり身体の反応です。

あがり緊張問題は
「気合や根性などの精神論ではなかなか片付かない」、
「魔法のような手法もなく、一筋縄ではいかない」
というのが私の見解です。

身体の特性を踏まえて、事前準備を徹底することが、
あがり緊張問題を克服する第一歩となるはずです。

皆様のご参考になれば幸いです。
(講師:高木圭二郎)

この記事を書いた人

高木 圭二郎(たかぎ けいじろう) 

研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)

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