講師の高木です。
元ラジオ局アナ・報道記者の経験から、全国各地の自治体・公的機関で
「危機管理・マスコミ対応研修」や「説明力向上研修」などを行っています。
今回のテーマはこちら。
「報道記者の視点 囲み取材・ぶら下がり取材の話(1)」

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私は茨城放送の報道記者時代、茨城県庁(県政)、茨城県警、水戸市、日立市の
各記者クラブに所属し、緊急記者会見や謝罪会見を多数取材してきました。
取材でお会いした方々は、知事、市長、衆参議員、県議などの他、警察関係者、
スポーツ界の選手・監督、さらにはタレント・著名人、優れた成果を出された方、
独自の取り組みをされる方々など、とにかく多数。私は取材現場で
「メディア紹介されるあらゆる分野の方々」にインタビューをさせていただいたのです。
それらの取材では、記者会見の会場でのインタビューも多かったのですが、
「囲み・ぶら下がり」と呼ばれる取材も無数に経験しました。
「囲み・ぶら下がり」の取材形式、皆様はご存じでしょうか?
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私はマスコミ対応研修の中で「囲み・ぶら下がり」の取材について
このように説明しています。
■「囲み」「ぶら下がり」の取材とは
・正式な記者会見と別の、多数の記者が群がる取材のこと。
・取材対象者が静止していれば「囲み取材」、
取材対象者が動いていれば「ぶら下がり取材」とされる。
・報道現場では「囲み・ぶら下がり」がほぼ同義で使われる。
スポーツの試合後、多数の報道陣が選手や監督を囲んでインタビューする様子を
皆様もご覧になったことがあると思います。
スポーツの取材現場は、まさに「囲み・ぶら下がり取材」の現場そのもの。
報道記者にはここで試合後の貴重な話を伺い、ニュースや記事にするのです。
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この「囲み・ぶら下がり」の取材と、「緊急記者会見」の関係について
話を移したいと思います。
不祥事・トラブル・事故等の後の緊急記者会見では、多数の報道陣が集まります。
緊急記者会見の主な流れをあらためて記すと、以下の通りとなります。
■緊急記者会見 主な流れ
・会見者入場 :入場時から撮影・録画される。
・会見開始 :司会が会見開始を告げる。
・冒頭コメント :会見卓中央の会見者が事案概要を説明。
・謝罪・着席 :お詫びコメントで深々と謝罪。その後着席。
・会見者側の説明:会見者側から事案概要・事案詳細を説明。
・質疑応答 :幹事社質問→各社質問の流れも多い。
・(囲み・ぶら下がり):※自然発生の場合がある
・退場時の謝罪 :会見場を退席する際も謝罪で終わる。
ここでは「緊急記者会見 主な流れ」の終盤に「(囲み・ぶら下がり)」と記しました。
私は緊急記者会見の最後に、「囲み取材・ぶら下がり取材」が生じるケースを多々見てきたことから、
現実問題として「記者会見の状況次第で、囲み・ぶら下がり取材も十分有りうる」と説明しています。
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詳しく説明しましょう。
実は、多数の報道陣が集まる緊急記者会見では、
「囲み・ぶら下がりの取材は受けてはいけないもの」との教えがあります。
取材が際限なく長引くだけでなく、記者会見の場が無秩序の状態になるからです。
この「囲み・ぶら下がりの取材は受けてはいけないもの」との教えは、
一面では正しい教えです。
最近の緊急記者会見を見ると、報道陣の中に、延々と自説を述べる記者や、
ものすごく長い質問をするフリーランスの記者も増えてきました。
こうした報道陣に時間無制限で対応するのは、現実的に困難で、情報の均一性も保てません。
よって「囲み・ぶら下がりの取材は受けない」との教えは、正しい教えと言えます。
ですが、ローカルの記者クラブ等や規模の小さな記者会見の場では、
上記の教えと違って、「囲み・ぶら下がり」が自然発生するケースが多々あるのです。
この話は少し長くなるので、緊急記者会見での「囲み・ぶら下がり」に関する
私の見解は別記事で詳しく説明したいと思います。
続きはこちら
【研修コラム】報道記者の視点 囲み取材・ぶら下がり取材の話(2)【更新20251103】
https://talkrescue.jp/archives/4150
以上、皆様のご参考になれば幸いです
(講師:高木圭二郎)

この記事を書いた人
高木 圭二郎(たかぎ けいじろう)
研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)
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