講師の高木です。元ラジオ局アナ・報道記者の経験から、
全国各地の自治体・公的機関で「危機管理・マスコミ対応研修」を行っています。
今回のテーマはこちら。「報道カメラマンは『一瞬』を狙う」(画像はイメージです)
私は茨城放送の報道記者時代、茨城県庁(県政)、茨城県警、水戸市、日立市の
各記者クラブに所属し、緊急記者会見や謝罪会見を多数取材してきました。
私が在籍した茨城県庁と茨城県警の記者クラブは、東京キー局の報道カメラマン
(=日テレ、TBS、フジ、テレ朝)とNHKのカメラマンが常に出入りする現場。
記者会見の際は、共に卓上にマイクを並べたり、選挙時の取材などでは
「放送各局でマイクを束ねる」ということもありました。
またこれらの記者クラブでは新聞社・通信社の報道記者が多数在籍し
彼らが一眼レフのカメラを使って撮影する様子も幾度となく見てきました。
私が在籍していた茨城放送は、カメラを使わないラジオ局。
しかしこれらの取材経験から、私は報道カメラマンの特性を間近で見てきたのです。
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本題です。
報道カメラマンは、皆さんが思っている以上に鋭い視線で「大事な一瞬」を狙います。
例えるならば「獲物を狙うような鋭い視線」で、「ほんの一瞬」を狙うのです。
彼らが撮る映像や写真は、ニュース映像や記事の写真になるのは勿論のこと、
大きなニュースの際には、全国放送や新聞の一面掲載、さらには全世界への配信、
ということも考えられます。
技術的な説明もしましょう。
テレビ局の報道カメラマンは、「ENG」を駆使します。
「ENG」(イー・エヌ・ジー)は「Electronic News Gathering」の略語。
直訳は「電子的ニュース取材」となりますが、
放送業界で「ENG」というと「業務用ビデオカメラ一式」を指します。
ENGカメラはプロが使う機材ですので、当然、高解像度。
肉眼で見えない部分もズーム機能でしっかり記録、ということも可能です。
ENGの記録媒体は、一昔前は業務用ビデオテープが大半を占めていましたが、
近年は記録用ディスクが主流。
報道現場の大事な映像も、このENGを使って録画されます。
報道カメラマンは、取材現場で常にスクープ映像を狙っています。
そんな報道カメラマンが「一瞬を切り取った」と言える事例が、このニュースでした。
ジャニーズ事務所会見 会場に質問指名の「NGリスト」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231004/k10014215471000.html
(紹介記事はリンク切れの場合があります。ご了承下さい)
多くの皆様が注目したニュースでしたが、「NGリスト」をズーム映像で
録画したのは、NHKのスタッフ。
この記者会見では性加害問題に関する話だけでなく、この「NGリスト」の存在も
大きなニュースとなりました。
現場の報道カメラマンが「一瞬」の映像を切り取ったわけです。
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これらの実例も踏まえ、私は「危機管理・マスコミ対応研修」で
このように説明しています。
・報道カメラマンは「一瞬」を狙う。そして「エラー」も狙う。
組織トップの皆様、広報担当の皆様。
もし緊急記者会見の必要が生じ、報道カメラマンを前にした際は、
こうした報道カメラマンの特性を十分理解しておいてください。
大事な記者会見の際には、一瞬たりとてエラー要素を見せないことが大切です。
以上、皆様のご参考になれば幸いです。
(講師:高木圭二郎)
この記事を書いた人
高木 圭二郎(たかぎ けいじろう)
研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)
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