(※2019年2月の情報をそのまま掲載しています。)
このコラムではスピーチを控えた皆様や
人前で話す皆様向けの記事を掲載しています。
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45歳のイチロー選手がオープン戦で盗塁を決めました。
海外のツイッターでは動画でその様子が紹介されています。
https://twitter.com/ROOTSPORTS_NW/status/1099772253544243200
その関連で今回のコラムでは「客観的事実」の説得力について
実況アナ視点でお伝えします。
(写真はイメージです)
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講師の私・高木は、実況アナになりたての頃、
「盗塁は2秒」と教わりました。
「2秒より早ければ盗塁成功、遅ければ失敗」
という目安で、瞬時に状況を伝える実況の
判断材料の一つとなる言葉でした。
45歳のイチロー選手は、オープン戦で
この2秒程の間に盗塁の成否を決めたわけです。
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専門的な内容ですが、盗塁の実況はパターンがあります。
今回のイチロー選手のプレーをラジオで伝えるとすると
このような実況が考えられます。(かっこ内)は言葉の内容です。
(投手)ピッチャー次の球を投げた。
(走者)1塁ランナー、イチロー走った
(球種)インコース低め、直球、見送ってボール
(捕手)キャッチャー2塁へ送球
(2塁)ショートがベースカバー、送球ワンバウンド、
(走者)イチロー、足から滑り込んだ。
(2塁)ショート、タッチ出来ない、
(判定)ランナーセーフ、盗塁成功、ノーアウトランナー2塁
(結果)45歳、イチローが盗塁を決めました!
映像ではカウントが不明でしたのでここではノーアウト、としました。
ご興味ある方は、実況アナになったつもりで声を出してみてくださいね。
動画リンクはこちら。
https://twitter.com/ROOTSPORTS_NW/status/1099772253544243200
というわけで実況席のアナウンサーはプレーを見ながら、
リアルタイムでタイミングのずれが生じないよう言葉を重ねます。
なので必然的にテンションも上がり、ついつい声も大きくなるのです。
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ですが、皆さんお気づきでしょうか?
実況アナが話している言葉はすべて
「誰が、どうした、どうなった、」という
「客観的事実」だけなのです。
「すごい!」「やった!」などの「主観的感想」は後回し。
「まずは事実を伝える」、ということが
実況アナの最大の役割になるのです。
この客観的事実の説明が不十分だと、実況としては不十分。
「それってあなたが自分で思った感想でしょ?」となります。
悪い例として、主観的な感想メインの実況を書き綴ります。
「イチロー、走った、速い速い、
間に合ったみたいだ。 すごいすごい!…」
これでは幼稚なうえ、何が何だかわかりませんよね。
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皆様のスピーチや発表の場に置き換えましょう。
思い入れのあることを話す際、ご自身の感想や願望などを外した
「客観的事実」はどの程度の割合でしょうか?
人前で話す際につい口にしてします
「えーと、あのー、緊張しますねー」などの言葉も
客観的事実ではなく、主観的な感想や言葉のノイズですよね。
客観的事実をしっかり伝える。
感想を極力減らして、事実のみを伝える
このことを意識して言葉を入れ替えるだけで、
皆様のスピーチや発表はすごくクリアになります。
客観的事実を重ねることで説得力が増すのです。
スポーツ実況のスキルは、皆様の大事なスピーチや発表の場でも
効果的な手段として使えるはず。
ぜひ「客観的事実」重視の話し方も意識してみてくださいね。
皆様のヒントになれば幸いです。
(講師:高木圭二郎)
この記事を書いた人
高木 圭二郎(たかぎ けいじろう)
研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)
講師プロフィール詳細はこちら
https://talkrescue.jp/instructor/profile
講師活動の実施実績はこちら。
https://talkrescue.jp/instructor/achievements
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